【実は危険】ぬいぐるみを抱いて寝るのはなぜ?心理や効果、注意点を解説

お気に入りのぬいぐるみを胸に抱きしめて眠りにつく瞬間、なぜか心が深く落ち着く。そんな安らぎに満ちた経験はありませんか。この習慣は子ども特有のものと思われがちですが、実際には多くの大人がぬいぐるみと一緒に寝ることを大切な時間としています。
しかしその一方で、「大人なのに恥ずかしいかもしれない」といううしろめたさや、その心理、効果、そして注意点に関するさまざまな疑問を感じている方も少なくないようです。
この記事では、まず、女性や彼女、妻がぬいぐるみと寝る心理とはどのようなものか、そして一見意外に思えるかもしれない、男性や彼氏、夫がぬいぐるみを抱いて寝る心理背景には何が隠されているのかを、多角的に深く掘り下げていきます。
また、多くの人が抱く「かわいい」という印象と、時に向けられる「子供っぽい」という世間のイメージ、その間に存在するギャップの正体にも迫ります。さらに、科学的にも注目されているストレス軽減といった、ぬいぐるみを抱いて寝る効果についても詳しく解説します。
加えて、愛着が昂じて生まれる依存状態、いわゆるぬいぐるみ症候群とは何ですか?という問いから、寝る時にぬいぐるみはだめですか?という直接的な疑問、そして、なぜ寝室にぬいぐるみはダメと言われるのかという具体的な理由まで、あらゆる角度から徹底的に検証します。
さらには、ぬいぐるみと寝るスピリチュアルな意味や、ぬいぐるみと寝ると太るという噂は本当?といった、少し変わった視点にも光を当てながら、最終的にあなたが愛するぬいぐるみと、より健やかで幸せな関係を築くために、ぬいぐるみと上手に抱いて寝るための結論を導き出します。
- ぬいぐるみを抱いて寝る人の心理的背景
- ぬいぐるみと寝ることで得られる効果とメリット
- ぬいぐるみと寝る際の注意点やデメリット
- スピリチュアルな観点や俗説についての解説
ぬいぐるみを抱いて寝るのはなぜ?その心理と効果

- 女性や彼女がぬいぐるみと寝る心理とは
- 男性がぬいぐるみを抱いて寝る心理背景
- かわいいという印象と世間のイメージ
- ストレス軽減?ぬいぐるみを抱いて寝る効果
- 依存?ぬいぐるみ症候群とは何ですか?
女性(彼女や妻)がぬいぐるみと寝る心理とは

女性がぬいぐるみを抱いて眠りにつく背景には、単なる習慣や好みを超えた、深く多層的な心理が働いています。その根底にあるのは、主に「絶対的な安心感」と「無条件の癒し」への渇望です。複雑化する現代社会において、仕事のプレッシャー、SNSを通じた人間関係の疲れ、将来への不安など、女性が日々直面するストレスは計り知れません。そんな中でぬいぐるみは、評価や判断をせず、ただ静かに寄り添ってくれる「安全基地」として、極めて重要な役割を果たしているのです。
癒しと安心感の源泉
柔らかく、温かみのあるぬいぐるみの感触は、人の心に原始的な安らぎをもたらす効果があると考えられています。この「触覚による心地よさ」は、科学的にも裏付けられています。肌に触れることで「幸せホルモン」「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンが分泌され、これが心拍数を落ち着かせ、血圧を下げ、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを抑制します。結果として、心身が深いリラックス状態へと導かれるのです。特に一人暮らしの女性や、パートナーの出張などで一人で夜を過ごす際には、ぬいぐるみが物理的にそばにいるという感覚が孤独感を効果的に和らげ、深い心理的な安定をもたらします。
幼少期の愛着の継続
幼い頃から大切にしてきたぬいぐるみを、大人になっても手放せないというケースは非常に多く見られます。これは、イギリスの精神分析家ドナルド・ウィニコットが提唱した「移行対象(Transitional Object)」の概念で説明できます。移行対象とは、乳幼児が母親と自分が別の存在であると認識し始める時期に、母親の不在による不安を和らげるために執着する毛布やぬいぐるみなどの物品を指します。これは、子どもが自立していく上で非常に重要な役割を果たす、健全な心の働きです。
大人になってもこの関係性が継続するのは、かつて母親から離れる不安を和らげてくれた存在が、今度は社会の荒波やストレスフルな状況下で「自己を癒すためのツール」として機能しているからです。長年連れ添ったぬいぐるみには、楽しかった思い出、悲しくて一緒に泣いた記憶など、持ち主の感情の歴史が深く刻み込まれています。その存在に触れることは、自分自身の人生を肯定し、自己肯定感を高めるきっかけにもなるのです。このように、女性がぬいぐるみと寝るのは、決して退行現象ではなく、むしろストレス社会を賢く生き抜くための、成熟したセルフケアの一環と捉えることができるでしょう。
男性(彼氏や夫)がぬいぐるみを抱いて寝る心理背景

男性がぬいぐるみを抱いて寝ることは、女性のケースと比較するとまだ少数派と見なされがちですが、その行動の裏にある心理は深く、そして普遍的なものです。背景には、男女共通の欲求と、男性特有の社会的・文化的要因が複雑に絡み合っています。
共通する「安心感」への欲求
まず根本にあるのは、性別を問わない「安心感」への根源的な欲求です。「男は強くあるべき」「感情を簡単に見せるべきではない」といった社会的なプレッシャーの中で、多くの男性は自分の弱さや不安を表現する機会を制限されています。そんな彼らにとって、ぬいぐるみは言葉を発さず、批判もせず、ただ静かに寄り添ってくれる唯一無二の存在です。誰にも見せることのできない素の自分をさらけ出し、心からの安らぎを得られる貴重な避難所となり得ます。柔らかい感触がもたらすリラックス効果やオキシトシンの分泌は、もちろん男性にも等しく有効であり、一日の緊張を解きほぐす上で大きな助けとなります。
趣味やコレクションとしての側面
一方で、男性の場合は、特定のキャラクターや作品への深い愛情が、ぬいぐるみの所有に直結しているケースが非常に多く見られます。アニメ、漫画、ゲーム、映画などの登場キャラクターに強く感情移入し、その存在を身近に感じていたいという純粋なファン心理が、「推し」のぬいぐるみをベッドに置くという行動に繋がるのです。これは近年広がりを見せる「推し活」の一環とも言え、自身のアイデンティティや情熱を表現する重要なアイテムとしての意味合いを強く持ちます。この場合、ぬいぐるみは癒しの対象であると同時に、自らの世界観を構築するための大切なパートナーなのです。
歴史を紐解けば、世界で最も有名なぬいぐるみの一つであるテディベアは、アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領の逸話から生まれたとされており、元々は大人の世界と深く結びついていました。こうした背景を考えれば、男性がぬいぐるみを愛用することは決して不自然なことではなく、むしろ人間らしい自然な感情の発露と捉えることができるのです。
かわいいという印象と世間のイメージ
ぬいぐるみを抱いて寝るという行為は、見る人によって解釈が大きく分かれる現象です。多くの人が直感的に抱く「かわいい」というポジティブな印象と、一部の人が持つ「子供っぽい」「幼稚である」といった社会通念に基づいたイメージとの間には、しばしば大きなギャップが存在します。
ポジティブな側面:「かわいい」への純粋な共感
ぬいぐるみの愛らしいデザインや、それを慈しむように抱きしめる姿は、多くの人にとって心を和ませ、微笑ましく映ります。特に、子どもがぬいぐるみを抱いて眠る様子は、純粋さや無垢さ、そして平和を象徴する光景として、非常に好意的に受け止められます。この「かわいい」という感情は、人の攻撃性を和らげ、共感性を高める力を持っており、見る人の心に穏やかな時間をもたらします。この感覚は、大人がぬいぐるみを大切にする姿に対しても、共感できる人にとっては同様に働くものです。
ネガティブな側面:「幼稚さ」という偏見
しかしながら、特に大人がぬいぐるみに強い愛着を示すことに対しては、「精神的に自立できていないのではないか」「現実逃避ではないか」といった否定的な見方が存在することも、残念ながら事実です。この偏見の根源には、「大人は成熟し、合理的で、感情に左右されない存在であるべきだ」という社会的な役割規範が深く根付いています。この規範から外れるように見える行動は、「未熟さ」のレッテルを貼られやすいのです。
このようなイメージは、ぬいぐるみが主に「子どものおもちゃ」として広く認識されていることに起因します。ですが、これまで述べてきた通り、ぬいぐるみにはストレス軽減や自己肯定感の向上といった、大人の精神衛生にとって極めて有益な効果があります。近年では、SNSなどを通じて大人がぬいぐるみとの生活をオープンに発信するなど、価値観も多様化しつつあります。最も大切なのは、他人の視線や画一的なイメージに惑わされず、自分にとってその存在がどのような価値を持つのかを理解し、その関係性を肯定することです。
ストレス軽減?ぬいぐるみを抱いて寝る効果

ぬいぐるみと一緒に寝るという習慣が、単なる感傷的な行為ではなく、実際に心身のストレスを軽減する効果を持つことが、近年の研究によって科学的にも注目されています。そのメカニズムは、主にホルモンの働きと触覚の刺激によって説明されます。
幸せホルモン「オキシトシン」の分泌
この効果を説明する上で最も重要な鍵となるのが、愛情ホルモンや幸せホルモンとして知られる「オキシトシン」です。オキシトシンは、人とのハグや信頼できる相手との会話など、ポジティブな社会的接触によって脳下垂体から分泌されるホルモンです。このホルモンには、不安を和らげ、他者への信頼感を高め、幸福感や安心感をもたらすといった多彩な作用があります。
ぬいぐるみを抱きしめるという行為は、この人とのスキンシップを擬似的に体験させる効果があり、たとえ相手が人間でなくてもオキシトシンの分泌を促すことが分かっています。ふわふわとした心地よい感触が皮膚から脳へと伝わり、リラックス信号として認識されることで、心身の過度な緊張が自然と解きほぐされていくのです。
ぬいぐるみテラピーと触覚の力
この効果を応用したものに、「ぬいぐるみテラピー」と呼ばれる心理療法があります。これは、うつ病や不安障害、トラウマケアなどの分野で用いられることがあり、ぬいぐるみを介して自分の抑圧された感情を安全に表現したり、不安を投影したりすることで、心の安定と自己治癒力を促すものです。例えば、誰にも言えない悩みをぬいぐるみに打ち明けるという行為は、思考を整理し、感情を客観視する助けとなり、カタルシス(心の浄化)効果をもたらします。
また、柔らかいものに触れるという「触覚(タクティル・コンフォート)」がもたらす効果も見逃せません。心地よい触覚刺激は、人の攻撃性を和らげ、共感性を高めるという研究報告もあります。このように、ぬいぐるみを抱いて寝ることは、科学的な根拠に裏打ちされた極めて有効なストレス対処法の一つであり、ひいては睡眠の質そのものを向上させる上でも大きな力となるのです。
依存?ぬいぐるみ症候群とは何ですか?

ぬいぐるみへの愛着が非常に強くなり、「この子がいないと眠れない」「旅行にも必ず連れて行く」といった、生活に不可欠な存在になることがあります。このような状態を指して、俗に「ぬいぐるみ症候群」と呼ぶことがありますが、これは精神医学における正式な診断名や病名ではなく、あくまで一般的な呼称です。
健全な愛着と過度な依存の境界線
前述の通り、心理学においてぬいぐるみのような存在は「移行対象」と呼ばれ、心の安定を支える健全な役割を果たすことが認められています。したがって、大人になってもぬいぐるみが心の支えとなること自体は、何ら問題のあることではありません。
問題となるのは、その愛着が「過度な依存」のレベルにまで達し、ぬいぐるみがないことで極度の不安やパニックに陥ったり、社会生活や人間関係に具体的な支障をきたしたりする場合です。例えば、以下のような状態が見られる場合は、少し立ち止まって関係性を見直す必要があるかもしれません。
- ぬいぐるみがなければ一切眠ることができず、睡眠不足に陥る
- ぬいぐるみとの関係を優先し、友人や恋人との約束を断ってしまう
- ぬいぐるみが汚れたり壊れたりすることを極度に恐れ、日常生活が制限される
- 仕事や公的な場など、明らかに不適切な場所にも持ち込まないと落ち着かない
依存の背景にあるもの
このような過度な依存の背景には、多くの場合、対処しきれないほどの強いストレスや、深刻な孤独感、過去のトラウマ、満たされない愛情への渇望といった、より根深い心理的な課題が隠されています。ぬいぐるみを抱きしめている時間だけが、現実の苦痛から逃れられる唯一の安全なシェルターとなり、一種の現実逃避の手段として機能してしまっている可能性があります。
もし、ご自身や身近な人のぬいぐるみへの関わり方が「依存」の域に達しているかもしれないと感じた場合、大切なのはその行動自体を責めることではありません。ぬいぐるみを取り上げたり、無理に引き離したりすることは、かえって不安を増大させ、逆効果になりかねません。なぜ、それほどまでにぬいぐるみを必要としているのか、その心の奥底にある本当の原因に優しく目を向け、必要であれば専門家(カウンセラーなど)の助けを求めることも重要な選択肢となります。
ぬいぐるみを抱いて寝る際の注意点と俗説

ぬいぐるみとの生活は多くの喜びと癒しをもたらしてくれますが、その一方で、心地よい関係を長く続けるためには知っておくべき注意点や、まことしやかに語られる俗説の真偽についても理解を深めることが大切です。特に安全面、衛生面、そしてスピリチュアルな観点からのポイントを解説します。
- 寝る時にぬいぐるみを置くのはだめですか?
- なぜ寝室にぬいぐるみはダメと言われるの?
- ぬいぐるみと寝るスピリチュアルな意味
- ぬいぐるみと寝ると太るという噂は本当?
- ぬいぐるみと上手に抱いて寝るための結論
寝る時にぬいぐるみを置くのはだめですか?

ぬいぐるみと一緒に寝ることには多くの心理的メリットがある一方で、「だめだ」という意見が存在するのには、いくつかの非常に具体的で重要な理由があります。これらは感情論ではなく、特に乳幼児の安全確保と、すべての人に関わる衛生管理の観点から、真剣に受け止めるべき注意点です。
乳幼児における安全上のリスク
最も厳重な注意が必要なのは、自力で身体の自由を確保することが難しい0歳から1歳の乳幼児の場合です。消費者庁などの公的機関も注意喚起を行っていますが、この時期の赤ちゃんは、まだ自分で自由に寝返りを打ったり、顔にかかってしまった寝具や異物を手でどけたりする能力が未発達です。
そのため、柔らかいぬいぐるみがベッドに置かれていると、ふとした拍子に赤ちゃんの顔がそれに埋もれてしまい、口や鼻が塞がれて呼吸ができなくなる「窒息」のリスクが現実的に存在します。これは、SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクを高める要因の一つとしても指摘されています。また、赤ちゃんがつかまり立ちを始める時期になると、ベビーベッドの中に置かれたぬいぐるみを踏み台にして柵を乗り越え、思わぬ高さから「転落」する事故も数多く報告されています。このような悲しい事故を防ぐため、赤ちゃんが寝つくまでは安心感を与えるために側に置いても、眠りについた後は必ずベッドの外の安全な場所へ移動させることが強く推奨されます。
衛生面での深刻な懸念
ぬいぐるみは、その構造上、布と綿でできているため、室内のホコリや人から出るフケ、皮脂などを吸着しやすく、また湿気も溜め込みやすいという特性があります。これは、アレルギー疾患の主要な原因となるチリダニ(ヒョウヒダニ)にとって、絶好の繁殖環境を提供してしまうことを意味します。
ダニの死骸やフンは、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などを引き起こしたり、悪化させたりする強力なアレルゲンです。特に、よだれや食べこぼし、汗などで汚れやすい子どものぬいぐるみは、こまめな手入れを怠ると、ダニだけでなく雑菌やカビも繁殖し、極めて非衛生的な状態になりかねません。したがって、ぬいぐるみと寝ること自体を諦める必要はありませんが、アレルギー対策としての徹底した衛生管理は、健康を維持するための必須条件となります。
項目 | メリット | デメリット・注意点 |
心理・情緒面 | 安心感、ストレス軽減、孤独感の緩和 | 過度な依存、無いと眠れなくなる可能性 |
子どもの成長 | 社会性や自立心の育成、言語発達の促進 | – |
身体・安全面 | 安定した寝姿勢のサポート | 乳幼児の窒息・転落リスク |
衛生・健康面 | (直接的なメリットは少ない) | アレルギーや喘息の原因(ダニ・ホコリ) |
スピリチュアル | 持ち主を守る、ネガティブなエネルギーの吸収 | 良い気も吸う、恋愛運の低下の可能性 |
なぜ寝室にぬいぐるみはダメと言われるの?

前述した乳幼児の安全面や、すべての人に関わる衛生面に加え、「寝室という空間にぬいぐるみを置くこと自体が良くない」という意見も存在します。これには、質の高い睡眠を確保するための物理的な環境要因と、古くから伝わる風水などのスピリチュアルな思想が深く関係しています。
睡眠環境の質の低下
睡眠衛生の観点から、寝室は「休息と睡眠をとるための神聖な場所」として、その役割を明確にすることが推奨されています。しかし、ぬいぐるみの数が増えすぎてしまうと、いくつかの問題が生じます。まず物理的に、ベッドの有効スペースが狭くなり、睡眠中に不可欠な「寝返り」を妨げる原因になります。スムーズな寝返りは、体圧を分散させ、血行を促進し、体温調節を行うために重要な生理現象です。これが妨げられると、肩こりや腰痛、睡眠の質の低下に繋がります。
また、ぬいぐるみは遊びや愛着といった「覚醒」を促す要素を持つため、寝室に過剰に存在すると、脳が「ここは寝る場所」と認識しにくくなり、スムーズな入眠を妨げる可能性があります。さらに、ぬいぐるみが溜め込んだホコリが空気中に舞い、それを睡眠中に吸い込んでしまうことで、呼吸器系に負担をかけ、睡眠の質をさらに低下させることも懸念されます。
風水的な観点からの意見
東洋の伝統的な環境学である風水の世界では、ぬいぐるみや人形といった「人の形をしたもの」は、「気(エネルギー)」を強く吸う存在とされています。寝室は、私たちが眠っている間に一日の悪い気(邪気)を排出し、新しい生命エネルギー(生気)を吸収・充電するための、家の中で最も重要な場所の一つです。
その神聖な空間にぬいぐるみをたくさん置くと、持ち主が本来吸収すべき良い運気やエネルギーまで、ぬいぐるみが吸い取ってしまうと考えられているのです。特に、頭の近くである枕元に多数置くことは、自身のエネルギーが直接的に奪われるとされ、運気の低下を招くとして避けられる傾向にあります。このため、風水では寝室にぬいぐるみを置く場合は数を厳選し、置き場所にも配慮することを推奨しています。
ぬいぐるみと寝るスピリチュアルな意味

風水やその他のスピリチュアルな観点では、ぬいぐるみは単なる綿の詰まった置物ではなく、持ち主の感情やエネルギーと深く共鳴し、相互に影響を与え合う特別な存在として捉えられます。長く大切にされることで、独自の「魂」のようなものを宿すと考えられているのです。
エネルギーを交換するパートナー
大切にされているぬいぐるみには、持ち主の愛情や喜び、悲しみといった様々な想いが日々注ぎ込まれ、それがエネルギーとして蓄積されると信じられています。そして、持ち主が眠りにつく夜、ぬいぐるみはそのエネルギーを交流させるパートナーとなります。持ち主はぬいぐるみから純粋な癒やしのエネルギーを受け取り、反対にぬいぐるみは、持ち主が日中に溜め込んだストレスや疲れといったネガティブなエネルギーを吸収し、浄化してくれる役割を果たすとされています。
この考え方は、欧米で古くからテディベアが「子どもの守り神」として悪夢から守ってくれる存在としてベッドサイドに置かれる習慣とも通じます。ぬいぐるみは、持ち主を守る小さなお守りや、悪いエネルギーの身代わりとなってくれる、忠実なガーディアンのような存在なのです。
運気への影響と対策
しかし、そのエネルギー吸収の性質には注意も必要です。前述の通り、ぬいぐるみは良い気も悪い気も区別なく吸収する力があるとされます。そのため、ぬいぐるみの数が多すぎると、部屋全体のエネルギーバランスが乱れ、混沌とした状態を生み出したり、持ち主自身のエネルギーが必要以上に奪われてしまったりする可能性があります。
また、恋愛運に関しては、ぬいぐるみに愛情を注ぎすぎることで、本来現実のパートナーに向けるべき「愛情のエネルギー」がぬいぐるみの方へ流れてしまい、新たな出会いを遠ざけたり、現在のパートナーとの関係が停滞したりする原因になる、というユニークな説もあります。
スピリチュアルな恩恵を最大限に受けたいのであれば、数を厳選し、ぬいぐるみを常に清潔に保つことが何よりも大切です。定期的に太陽の光をたっぷり浴びせる(日光浴させる)ことは、物理的な殺菌効果だけでなく、エネルギーの浄化にも繋がるとされています。また、ホワイトセージの煙で燻したり、水晶クラスターのそばに置いたりといった浄化方法も有効と言われています。「いつもありがとう」と心の中で感謝を伝えるだけでも、ぬいぐるみとの絆は深まり、より強力な守護の力を発揮してくれるでしょう。
ぬいぐるみと寝ると太るという噂は本当?

時折、インターネットの掲示板やSNSなどで、「ぬいぐるみと寝ると太る」という、一見すると奇妙な噂が囁かれることがあります。結論から言えば、この説にはいかなる医学的・科学的な根拠も存在しません。ぬいぐるみ自体が、人体の代謝に直接影響を与えたり、体重を増加させたりするような魔法や呪いの力を持っているわけでは、もちろんありません。
では、なぜこのような科学的根拠のない俗説が生まれてしまったのでしょうか。これはおそらく、「相関関係」と「因果関係」の混同から生じた認知バイアスの一種と考えられます。
間接的な要因の連想と可能性
この俗説が生まれた背景として、いくつかの間接的な要因が誤って結びつけられた可能性が推測できます。
一つは、繰り返し述べてきた「衛生面」との関連です。ぬいぐるみに潜むダニやハウスダストが原因でアレルギー反応が誘発され、鼻詰まりや咳などで睡眠が妨げられることがあります。慢性的な睡眠不足や睡眠の質の低下は、食欲をコントロールするホルモン(レプチンやグレリン)のバランスを乱し、過食を招いたり、基礎代謝を低下させたりすることが知られています。この「睡眠の質の低下が体重増加に繋がる」という医学的な事実が、「ぬいぐるみが原因で太る」という短絡的な結論に飛躍してしまったのかもしれません。
もう一つは、「ライフスタイル」との関連です。ぬいぐるみへの強い愛着を持つ人の中に、たまたまインドア派で活動量が少なかったり、ストレス解消法として食事に頼る傾向があったりする人がいた場合、その人のライフスタイルが体重増加の原因であるにもかかわらず、表面的な特徴である「ぬいぐるみが好き」という点と結びつけられてしまった可能性があります。
いずれにしても、これらはぬいぐるみ自体が直接的な原因ではなく、あくまで二次的、あるいは全く無関係な問題です。ぬいぐるみを常に清潔に保ち、バランスの取れた健康的な生活習慣を心掛けている限り、体重への影響を心配する必要は全くないと言えるでしょう。
ぬいぐるみと上手に抱いて寝るための結論
この記事を通じて、ぬいぐるみと一緒に寝るという行為が持つ、心理的、科学的、そしてスピリチュアルな側面まで、多角的に解説してきました。ぬいぐるみは、ただのかわいい置物ではなく、私たちの心に深く寄り添い、時には成長を支え、癒しを与えてくれるかけがえのないパートナーです。最後に、あなたが愛するぬいぐるみと、これからも末永く上手に付き合っていくための結論を、重要なポイントとしてまとめます。
- ぬいぐるみを抱いて寝る主な心理は安心感や癒しを求める気持ち
- 女性はストレス緩和や孤独感の解消を求める傾向がある
- 男性も安心感を求めるほか趣味やコレクションの一環という側面も
- ぬいぐるみを抱く行為は幸せホルモン「オキシトシン」の分泌を促す
- 科学的にもストレス軽減やリラックス効果が期待できる
- 「ぬいぐるみ症候群」は正式な病名ではなく過度な依存状態を指す俗称
- 愛着と依存の境界線は日常生活に支障があるかどうか
- 乳幼児は窒息や転落の危険があるため寝ている間はベッドに置かない
- ぬいぐるみはダニやホコリの温床になりやすくアレルギーの原因になり得る
- 定期的な洗濯や日光消毒など衛生管理が不可欠
- 風水ではぬいぐるみが良い気を吸ってしまうという考え方がある
- 寝室に置く数は厳選し増やしすぎないことが推奨される
- 「ぬいぐるみと寝ると太る」という噂に科学的根拠はない
- 注意点を守ればぬいぐるみは大人にとっても有益な癒しのツールとなる
- 自分にとって心地よい距離感で健全な関係を築くことが大切